住まいずスマイル
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■(株)住まいず 取締役常務、11.5代目 有村 康弘 |
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兄とともに鹿児島にUターン兄が鹿児島に帰って家業を継ぐと言い出した時、私は勤めていた東京のIT企業を辞める気はさらさらありませんでした。双子として生まれ、中学、高校、大学と同じ環境で過ごし、社会人になってやっと別々の道を歩み出したのだから、それでいいじゃないかと思っていたのです。 ところがそんな私を諌めたのが妻のヒョンちゃん(韓国人です)。「お兄さんが今の仕事を辞めて家業を継ぐと言っているのに、弟のあなたが一番に助けてあげなくてどうするの!」。韓国人は日本人以上に親兄弟は助け合うものという意識が強いのです。でもヒョンちゃんもせっかく東京で築いた人間関係があるのに・・・と言う私に、「大丈夫、鹿児島に行きます」ときっぱり言ってくれました。そんなわけで2008年10月から鹿児島県霧島市での新生活が始まりました。
やっぱり双子なんだなあ・・・私が帰郷をためらったのには、当時自分がしていた仕事が面白かったということのほかに、もう一つ理由がありました。それは、「兄弟で事業をやると絶対にうまく行かない」という信念(?)を私が持っていたことでした。と言うのも兄弟同士が主導権を巡って反目しあい、にっちもさっちもいかなくなるケースを実際に見聞きしていたからです。 |
けれど、自分も鹿児島に根を下ろすと決めたからには腹を括らなければなりません。そこで私が考えたのは、「兄の役割と自分の役割をはっきりと分ける」ということでした。表舞台に出るのは常に兄で自分は裏方に徹する、兄がスーツなら自分は作業着、モテるのは兄で自分は二枚目半(?)。つまり、絶対にぶつかりっこない状態に日頃からしておこうと決めたのです。
でもそんなに努力しているのに、自分が携帯を家に置き忘れた日に兄が携帯を紛失する、というような事件がたまに起こります。やっぱり双子なんですね(笑)。
「お客様は神様」では良い家はつくれない
兄の目が届かないこと、私だからできることをしようと心がけてはいますが、あまりそれを意識しすぎないように、自然体で過ごしています。こちらがリラックスしていないと、お客様にも余計な緊張を強いてしまいますから。
私はお客様からかけていただく言葉で「家族みたい」と言っていただけるのが一番好き。「お客様は神様です」みたいな関係よりも、ずっと対等で、本音で語り合える関係が築けていると感じられるからです。
私たちがしていることは物を売ることではなくて、一生住める家をお客様と一緒につくり上げること。お客様の心の中に潜在的にあるものを、対話の中で引き出していけるといいですね。家づくりがグッと楽しくなると思います。そのためには自分たちも素というか、飾らないありのままの姿になって、お客様に接することが大切だと思います。
私たちも含めて若い社員が多く、まだまだのびしろのある会社です。どうぞ可愛がってやってください。何卒よろしくお願いします!